HAL設計室
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2022年 01月 10日
この美術館は以前もブログで紹介したように外部空間が素晴らしい美術館です。 今回は雪の中の美術館でしたがモノトーンの建物に雪がとても似合っていました。 目玉は唐招提寺御影堂の障壁画ですが2018年11月に東京で観た時との違いは東山魁夷館所蔵の下絵を見ながら本作を見比べることが出来たことでしょう。 「濤声」の青はまさしく東山魁夷の青。何回観ても感動する襖絵です。 先日、本当に久しぶりでJIAの執行部の皆さんと食事会をしました。 リアルに会うのは久しぶりですから話も弾んでしまいます。 そうなると皆さん、毒舌が始まってしまい長野県立美術館の話に。 私はかねてより空間構成のすばらしさを語ってきましたが大先輩は「けしからん建物だ」と熱弁をふるっています。 隣の善光寺に敬意が払われていないというのです。建物の背が高すぎると。 私は屋上デッキが裏の道と同レベルになっていて、決して高すぎるとは思っていませんでしたので驚きでした。 確かめないわけにはいきませんのでついでに善光寺参りに足を延ばしました。 冬、葉を落とした時期でもこの程度にしか見えません。新緑の季節からはもっと見えなくなるはずです。 勿論、参道入り口付近からは美術館の全体像が見えますが、そこからは美術館のエリアですから仕方のないことではないでしょうか。 ただ一つ言えるのは美術館で最も高い部分が正面に来るのですから外壁の色を白ではなく、もう少し穏やかにしても良かったのではないかと思えました。 東山魁夷館はアルミスパンドレルの外壁です。アルミと言うと金属で目立つのではないかと思われる人もいるかもしれませんが、現地に行くと とても穏やかで背景に溶け込んでいることがお判りいただけます。 新美術館も東山魁夷館側には既存建物に敬意を表して同じ色のアルミパネルを使っています。残念ながらこの材料は極めて高額ですから建物全体に使用するのは予算上難しかったのかもしれません。念のため書き添えます。 建物のデザインはとても難しいのです。万人に好かれるというのは難しいのかもしれませんが、私は信州の景観を第一に考えながら今年も設計していきたいと考えています。
by hal-arai
| 2022-01-10 16:06
| 芸術
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